素人が音楽を語ってはいけませんか?

音楽や美術など、芸術について語る時、

「素人がおこがましい」

「何様のつもりだ」

と厳しい目を向ける人は少なくないように思います。

でも私は、芸術は「わかる人だけのもの」ではないと思っています。

もっと自由に、感じたことを言っても良いのではないでしょうか。

たとえば、好きなケーキ屋さんの話をする時。

「このお店のこのケーキ、本当に美味しいの」

「クリームが軽くて、口どけがいいの」

「ここのタルト、生地が香ばしくて絶妙」

「一度食べてみて!」

そんな会話を、ごく普通にしますよね。

パティシエでもないのに、ケーキについて語るなんておこがましい。

そんなことを考える人は、あまりいないと思います。

音楽だって、それくらい自由に語って良いと私は思うのです。

「この人の演奏は音がやわらかい」

「この曲は、もっとゆっくり聴きたいな」

「ここの音の重なりがとてもきれい」

「同じ曲でも、この人が弾くと全然違って聴こえる」

それは、その人が音楽を聴いて感じたことです。

もちろん、誰かを傷つけるための言葉や、人格を否定するような言葉は、批評とは別のものです。

でも、自分が感じたことを言葉にすることまで、

「プロに対して失礼」と遠慮する必要はないと思います。

「アンチが現れたら本物のプロ」

そんな言葉を聞いたことがあります。

すべての人から好かれることなどありません。

たくさんの人に作品を届けるプロだからこそ、

「良い」という人もいれば、

「良くない」と感じる人もいる。

評価されることも、批評されることも、プロとして世の中に作品を送り出すことの一部なのではないでしょうか。

それでも、

「批評なんて私にはおこがましい」と思うのであれば、

まずは、

「私はこれが好き」と表現してみてはいかがでしょう。

「上手い」「下手」

「正しい」「間違っている」

そんな評価をしなくても、

「私はこの音が好き」

「この演奏を聴くと心地よい」

「この人の表現に惹かれる」

それなら、誰にでも言えます。

あなたの「好き」は、あなただけの感覚です。

誰かに否定されるものではありません。

そして「好き」と言葉にして伝えることは、その音楽をつくっている人への何よりの応援にもなるはずです。

音楽は、専門家だけのものではありません。

聴いた人がそれぞれに感じ、それぞれの言葉で語る。

そんなふうに、もっと気軽に音楽の話ができたら、音楽は今よりもっと身近で、楽しいものになるのではないでしょうか。

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