2021.11.28

錆びで調整できなくなったピアノ

 

錆が発生する場所によっては、困ったことになるのですが、今回はそんなピアノに出会いました。

 

写真はアップライトピアノの内部部品です。

タッチの調整をする時に、アタマの輪になった部分を回します。

このピアノはそのネジが錆びてしまって回せなくなっていました。

それを知らずに回そうとすると、アタマの部分だけ回って折れてしまうんです。

 

写真の折れたネジは、指で触っただけでポロッと折れました。

見た目で折れているのが分かったので。

折れたネジの2つ右と3つ右を見てください。

気付きましたか?

アタマが傾いていますよね!

これが折れている証拠です。

前任調律師にしてみれば「まだ折れてない!」と言いたいところなのかもしれませんね。

でもね、これ折っちゃうってことは『タッチの調整をしてくれている』ってことなので、真面目な方だと思います。

 

私、こういうピアノによく出会います。

古いピアノを担当することが多いからでしょうか?

この場合、私は修理します。

折れたネジの他にも、錆が発生しているものは新しいネジに交換しますので、しばらくは安心ですね。

 

このネジを回すタッチの調整、しないのは嫌なんです。

結構大切な調整だと思っているので。

回せないなら、回せるように修理するのが北川流です。