「湿度」は、ピアノの健康を左右する大きな要素です。
特に梅雨時期や夏場は、ピアノの不調が急に気になり始める方も多いのではないでしょうか?
今回は、ピアノと湿度の関係、そして具体的な対策についてお伝えします。
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湿気がもたらすピアノへのダメージとは?
湿度が高い状態が続くと、ピアノ内部の木部やフェルト類が水分を含み、膨張したり、動きが鈍くなったりします。
その結果として、
•タッチが重くなる
•鍵盤が戻りにくくなる
•連打が効かなくなる
といった症状が現れることがあります。
また、金属部品にも影響があります。
弦やチューニングピン、アクション内部の金属パーツなどが湿気によって錆びてしまうと、動作不良を起こす原因になります。
こうした不具合を放っておくと、部品の消耗を早めてしまい、修理が必要な状態にまで進行してしまうこともあります。
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ピアノに除湿剤を入れていれば安心?
「ピアノの中に除湿剤を入れてあるから大丈夫」と思われている方がいらっしゃいます。
ですが、ピアノ内部に入れる除湿剤は、あくまで補助的なものです。
ピアノの外側から湿気が入り込む限り、内部の除湿剤だけで湿度をコントロールするのは難しいのです。
特に梅雨や夏の高湿度の時期には、ほとんど効果が追いつかないこともあります。
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本当の対策は「部屋全体の湿度管理」
ピアノを本当に湿気から守るには、お部屋全体の湿度をコントロールすることが大切です。
そのためには、エアコンの除湿機能や、除湿機を使うのがおすすめです。
目安としては、湿度50%前後をキープするのが理想的です。
湿度が60%を超えるとピアノに影響が出やすくなり、その状態が何日も続くと、鍵盤やアクションの動きに不具合が生じることがあります。
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「気持ちよく弾ける毎日」のために
ピアノはとても繊細な楽器です。
毎日気持ちよく演奏できるようにするためには、調律だけでなく「環境管理」も大切なメンテナンスのひとつです。
ぜひ、お部屋の湿度計をチェックしてみてください。
そして、必要に応じて除湿機をお使いください。
湿度管理をしっかり行うことで、ピアノの寿命も延び、音もタッチもぐんと快適になります。
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ご自宅の湿度やピアノの状態について気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
大切なピアノと、長く気持ちよく付き合っていくために、お手伝いできれば嬉しいです。